解析バックグラウンド
B細胞受容体とは
B細胞表面に発現するB細胞受容体(BCR)は、免疫グロブリン(Ig)受容体とも呼ばれ、多種多様な外部抗原を特異的に認識する分子として、獲得免疫システムにおける重要な役割を担っています。
BCRは免疫グロブリンH 鎖(IgH)、免疫グロブリンL鎖(IgK/IgL)の2つのペプチド鎖で構成されており、Bリンパ球の抗原特異性は主にB細胞受容体の超可変的相補性決定領域3(CDR3)のアミノ酸配列によって決定されます。



遺伝子再構成によるB細胞受容体の多様性
B細胞はその分化過程で免疫グロブリン遺伝子のV(D)J断片組換え(再構成)が起こります。ゲノムDNA上には複数のVおよびJ遺伝子セグメントが存在しているため、その組み合わせにより、多様なBCRが形成されます。さらに、超可変的領域のCDR3には、L鎖のV-J、H鎖のV-DおよびD-J接合部での非テンプレート配列挿入・削除や体細胞超変異などが含まれるため、受容体の潜在的な多様性が増加します。



こうした受容体の潜在的多様性により、特定のCDR3配列を有するB細胞に偏って存在する可能性は非常に低く、膨大な種類からなる各CDR3配列が実質的にB細胞クローンを識別できる固有のタグとなります。



解析原理
多様なB細胞受容体のハイスループットシーケンシング
clonoSEQ


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