OncoGuideTM EpiLightTMメチル化検出キット

体外診断用医薬品OncoGuideTM EpiLightTMメチル化検出キット
・OncoGuide™ EpiLight™メチル化検出キットは、ゲノムワイドなDNAメチル化※1状態を反映する16領域のメチル化ステータスを検出することで
『結腸・直腸癌における治療薬の選択の補助』が可能な、
リアルタイムPCR法を原理とした世界初*の体外診断用医薬品です。
(*2024年6月 承認日時点)
・製品紹介動画はこちら(ナレーション音声:VOICEVOX:雀松朱司)
プレスリリース
本キットの関連プレスリリースも合わせてご覧ください。
- 2025年6月2日
- 2024年6月26日
DNAメチル化検出キット -OncoGuide™ EpiLight™メチル化検出キットの国内製造販売承認取得に関するお知らせ-
学会・セミナー情報
直近の医療従事者向け本キット関連学会・セミナー情報は以下の通りです。
セミナー | |
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日時 | 2025年6月25日(水)18:30-19:30 |
開催形式 | オンライン(LIVE配信) |
タイトル | あたらしいエピゲノム検査: DNAメチル化メチル化ステータスを活用した大腸がん薬物療法 |
座長 | 石岡 千加史 先生(JR仙台病院・院長/東北大学病院腫瘍内科 客員教授) |
演者 | 砂川 優 先生(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学 主任教授) |
<過去のセミナー>
・2025年3月7日 第22回日本臨床腫瘍学会学術集会 モーニングセミナー1(MoS1)
大腸がん治療の進化とバイオマーカーの活用~DNAメチル化状態による個別化医療の実現~
・2024年7月12日
第101回大腸癌研究会学術集会 アフタヌーンセミナー1(AS-1)
演題「大腸癌に対する分子標的治療開始前バイオマーカー測定の新たなストラテジー ~腫瘍のDNAメチル化状態の評価とその臨床応用~」
製品概要
横にスクロールしてご覧いただけます。
製品名 | OncoGuide™ EpiLight™メチル化検出キット |
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一般的名称 | DNAメチル化検出キット |
承認番号 | 30600EZX00019000 |
使用目的 | がん組織から抽出したDNAをバイサルファイト変換処理した検体中のメチル化状態の検出(結腸・直腸癌における治療薬の選択の補助) |
検査原理 | リアルタイムPCR法 |
検体材料 | 大腸がん患者の FFPE 組織から抽出した DNAをバイサルファイト変換処理した検体 |
包装 | 1キット(24テスト用) |
製造販売業者 | 株式会社理研ジェネシス |
製造元 | 株式会社理研ジェネシス |
保険点数 | 2,500点 |
本キットの使用目的
「 結腸・直腸癌におけるDNAメチル化状態の判定による治療薬選択の補助」
・組織検体から抽出したDNAをバイサルファイト※2変換処理し、ゲノムワイドなDNAメチル化状態を反映する16領域のメチル化状態を検出することで、高メチル (HMCC: high methylated colorectal cancer)または低メチル(LMCC: low methylated colorectal cancer)を判定します。
・治療効果の望める患者さんを特定することで、副作用の回避および不必要な治療費の軽減が可能となります。
本製品を用いた臨床試験(臨床試験登録番号:UMIN000041205)において、抗EGFR抗体薬※3の効果について、低メチル
(LMCC: low methylated colorectal cancer)では高メチル(HMCC: high methylated colorectal cancer)と比較して無憎
悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)および全生存期間(Overall Survival: OS)が統計学的に有意に良好である
ことが報告されています(DNAメチル化検出キット -OncoGuide™ EpiLight™メチル化検出キットの国内製造販売承認取得に関するお知らせ-)。
電子添文
最新の電子添文は こちら をご覧ください。
製品パンフレット/検体調製法パンフレット/セミナー講演録
お問い合わせフォーム より、必要事項を記入いただき、お問い合わせください。
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よくあるご質問
※質問をクリックすると、回答が開きます。
質問1:どのような検出原理ですか?
- メチル化特異的リアルタイムPCR法を原理としています。
臨床サンプルからDNAを抽出し、バイサルファイト変換試薬で非メチル化シトシンをウラシルに変換後、リアルタイムPCR法によりメチル化DNAのみを増幅し検出します。
また、2つの領域を1つの反応ウェルでPCRを行うことで、16のターゲット領域を8ウェルで測定します。
同一ウェルに存在するコントロール配列とのCt値の差を判定基準に沿ってメチル化陽性/陰性を判定します。
質問2:なぜPCR法を採用したのですか?
- 臨床現場での利便性を最大化するためです。
メチル化の検出にはバイサルファイトシークエンス等ございますが、PCRの方がTATも短く、既存の検査フローに組み込めると判断しました。
質問3:キットのControl①、②の違いは何でしょうか?
-
検出系における役割の違いです。
どちらもリアルタイムPCR反応において、試薬(オリゴミックス溶液及びマスターミックス溶液)あるいは実験操作に問題がないかを確認するためのコントロールです。
正常な反応が起こらなかったときに、サンプルに問題があるのかそれ以外に問題があるのかを確認できます。
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コントロール①
16の検出対象領域内のCpGがすべてメチル化されている場合のバイサルファイト処理後の配列と内部コントロールの配列を含むDNAで、プラスミドから調製されたものです。
16検出対象領域のポジティブコントロールであり、内部コントロールのネガティブコントロールとなっています。
-
コントロール②
16の検出対象領域内のCpGがすべてメチル化されていない場合のバイサルファイト処理後の配列を含むDNAで、プラスミドから調製されたものです。内部コントロールのバイサルファイト処理後のDNA配列に対応した配列も含まれています。
16検出対象領域のネガティブコントロールであり、内部コントロールのポジティブコントロールとなっています。
※正常な反応時、コントロール①の増幅曲線はFAM/HEXが立ち上がり、Cy5は立ち上がりません。コントロール②の増幅曲線はCy5が立ち上がり、FAM/HEXはたちあがりません。
※バイサルファイト処理が成功しているかの確認は内部コントロールの結果から確認します。
質問4:カットオフ値は幾つですか?
-
各対象領域のメチル化の有無の判定とサンプルのメチル化状態の判定の2種類があります。
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対象領域ごとのメチル化の判定
各ウェルの内部コントロールとのCt値の差が6未満の場合は、メチル化陽性と判断します。6以上の場合はメチル化陰性と判断します。内部コントロールのCt値が29以上またはN/Aの場合、判定不能と判断します。
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サンプルのメチル化状態の判定
8領域以上がメチル化陽性の場合、高メチル(HMCC)と判定します。一方で、9領域以上がメチル化陰性の場合、低メチル(LMCC)と判定します。
8領域未満がメチル化陽性かつ9領域未満がメチル化陰性の場合、判定不能と判断されます。(DNAメチル化状態が判定不能となった場合、再試験が推奨されます。)
質問5:判定不可となる割合はどの程度ですか?判定不可となった場合は、どうすれば良いですか?
- お問い合わせフォーム に必要事項をご入力いただき、お問い合わせください。
- 判定不可の場合は、サンプル量を増やすか、DNAのバイサルファイト変換処理から再度実施することを推奨します。
質問6:測定対象となる検体材料はどのようなものでしょうか?
- FFPE組織が検査可能です。
質問7:どの程度古いFFPE検体まで使用できますでしょうか?
- 保存期間が2年以内のFFPE検体を推奨しております。
質問8:推奨核酸濃度について、吸光度法と蛍光法のどちらで測定したものでしょうか?
- Qubit法、PicoGreen法などの2本鎖DNA選択的測定法を推奨しております。
質問9:推奨の核酸抽出キットを教えてください。
- DNA抽出試薬について、特に指定はございません。
質問10:推奨のバイサルファイト変換試薬を教えて下さい。
- 市販されているキット製品の推奨品はプロメガ株式会社MethylEdge™ Bisulfite Conversion Systemです。
質問11:本キットの試薬の使用期限を教えて下さい
- 有効期限は-20 ± 5℃の条件下で製造後18ヶ月です。キットの使用期限は外箱に記載があります。
質問12:キットの価格を教えてください。
- 体外診断用医薬品の取扱いのある販売代理店様へお問い合わせください。
質問13:本製品を用いた検査に必要な機器や設備を教えて下さい
- 本製品を使用可能なリアルタイムPCR装置および、サーマルサイクラー、ピペットマン等の一般的なPCR実験で使用する機器類が必要です。
- また、クロスコンタミネーションを防止することのできる実験環境(pre-PCR工程・post-PCR工程を分けた実験室またはクリーンベンチなど)が推奨されます。
- 使用可能なリアルタイムPCR装置などの詳細は、弊社営業担当者へご相談ください。
製品成分に関して
本製品の成分に関してご確認のうえ、ご使用をお願いいたします。
【注釈】
※1 DNAメチル化
DNAメチル化は、DNMTs(DNA methyltransferase)による、5`-シトシンへのメチル基の付加によって引き起こされる化学的修飾であり、CpG(CGジヌクレオチド配列)領域に作用する。腫瘍組織におけるDNAメチル化は、主に遺伝子のプロモーター領域のCpGアイランドに生じ、転写を負に抑制することで遺伝子の発現を抑制させると考えられている。
※2 バイサルファイト変換処理
バイサルファイト(亜硫酸水素塩)処理により、DNA中のメチル化されていないシトシンが脱アミノ化されてウラシルに変換されるのに対し、メチル化シトシンは変換されないため、本処理により、メチル化シトシンと非メチル化シトシンの区別が可能。目的のDNA領域をPCR法で増幅する際、ウラシルはチミンに、メチル化シトシンはシトシンとして増幅される。この過程により、1塩基単位の分解能でDNAメチル化状態を解析することが可能となるため、病気の診断や治療法の開発、細胞生物学的研究において非常に重要なツールとなっている。
※3 抗EGFR抗体薬
抗EGFR抗体薬は、がん治療に用いられる分子標的治療薬の一種である。この薬剤は、がん細胞の増殖に関与する上皮成長因子受容体(EGFR: Epidermal Growth Factor Receptor)に結合し、下流へのシグナル伝達を阻害することで抗腫瘍効果を示す。抗EGFR抗体薬は、従来の化学療法とは異なるメカニズムで作用し、がん治療において新たな選択肢を提供する。