ドライバー変異探索解析
特長
- 全ゲノム解析または、がんエクソーム解析で得られた体細胞変異のデータを用いて、ゲノム上の特定の領域に集積する体細胞変異を特定し、がんのドライバー遺伝子の変異(ドライバー変異)※を探索します。
- がんの発生に関連するドライバー変異を特定し、診断におけるがんの早期発見やがん変異に対するターゲット治療薬の開発にご活用頂けます。
- 本解析は、協業先(株式会社スタージェン)で実施します。
- ※ がんの発生や進行に直接的な役割を果たす遺伝子を「ドライバー遺伝子」と呼びます。ドライバー遺伝子に変異があるがんでは、その変異を標的とした分子標的治療薬が有効であり、現在、肺がん、大腸がん、乳がん、白血病をはじめとする様々ながんで診療に使用されています。

図1. ドライバー遺伝子における変異の検出
バックグラウンド変異と比較して、高頻度で出現している変異を検出します。
解析概要
解析結果・納品物
- 特定の遺伝子領域に変異が集積する有意性を判定するためのQQプロット(PNGファイルおよびテキストファイル)、(図2参照)
- 遺伝子領域ごとの変異の集積を示したNeedleプロット(PNGファイルおよびテキストファイル)、(図3参照)
- 遺伝子ごとの変異の集積を全検体のデータで示したOncoplot(PDFファイル)、(図4参照)

図2. 特定の遺伝子領域に変異が集積する有意性を判定するためのQQプロット
遺伝子領域に変異の集積があるかを判定するため、期待されるP値(一様分布)と観測されたP値の分布を比較します。すべての領域で変異の集積がない場合、QQプロットの点はy=xの直線上に並びますが、直線から外れる点は、変異が有意に集積している遺伝子領域と判断することができます。

図3. 遺伝子領域ごとの変異の集積を示したNeedleプロット
遺伝子のコーディング領域(バックグラウンドの色はグレー、左側からCDS1,CDS2,…となります)、非コーディング領域(バックグラウンドの色は白)です。遺伝子領域における変異の数が視覚的に判別できます。

図4. 遺伝子ごとの変異の集積を示したOncoplot
棒グラフ(上段)横軸は検体ID、縦軸は検体ごとのTMB値を示しています。 タイルグラフ(下段)横軸は検体ID、縦軸に遺伝子名を示し、検出した変異の種類により色分けしています。 横型の棒グラフ(右)遺伝子ごとの変異が検出された検体数を示しています。
解析条件
- 弊社受託解析のオプションサービスとしてご利用の場合
Human Whole Genome Sequencing(HWGS、全ゲノム解析)
詳細はこちら
Human Whole Exome Sequencing(HWES、がんエクソーム解析)
詳細はこちら
- 本データ解析のみをご利用の場合
- ※ 腫瘍検体由来のVCFファイルのご提出が必要です。
- ※ 本解析では20~50検体程度あることが望ましいですが、検体数が少ない場合は公共データベース(TCGA、GENIEなど)のデータを活用して解析を行います。