がんエクソーム解析

特長

・腫瘍検体を用いた体細胞変異解析サービスをご提供。
・腫瘍と正常検体を解析することで、体細胞変異を特異的に検出(マッチドペア解析)。
・腫瘍特異的な体細胞変異データを用いて、mutational signature 解析、driver 変異探索、neoantigen 探索、Tumor Mutation Burden (TMB) 算出などもオプション解析としてご提供可能。
・ヒト腫瘍細胞をマウスに移植したXenograftサンプルの変異解析も実施可能。

解析概要

ゲノムからエクソン領域を濃縮し、次世代シーケンサー(NGS) により塩基配列を決定します。得られたリード配列を参照配列にマッピングした後、SNVを検出し、アノテーションの付与を行います。複数サンプルの場合はサンプル間比較用のリストを作成することも可能です。
体細胞変異検出を目的としたマッチドペア解析やヒト腫瘍細胞をマウスに移植したXenograftサンプルの変異解析も実施可能です。

解析概要(図)

エクソン領域濃縮キット

SureSelect All Exon

実績のあるAgilent technologies社のSureSelect All Exonを使用したサービスです。

パネル名 対応生物種 対象領域 デザイン
サイズ
SureSelect Human All Exon V6 ヒト コーディング領域、miRNA、snoRNA、tRNA 60 Mb
SureSelect Human All Exon V6 + UTR ヒト V6の全対象領域、体質性疾患研究向けUTR領域 91 Mb
SureSelect Human All Exon V7 ヒト コーディング領域 48.2 Mb
SureSelect Human All Exon V8 ヒト コーディング領域、TERTプロモーター 41.6 Mb
SureSelect Mouse All Exon マウス コーディング領域 49.6 Mb
●上記以外の濃縮キットについてはご相談ください。

オプションバイオインフォマティクス解析(ヒトのみ対応可能)

mutational signature解析

がん細胞の変異リストから、変異およびその前後の塩基配列も加えた変異パターン(mutational signature)の抽出を行います。

【主な解析結果】
最適なsignature数の判定結果、各signatureのプロファイル、各 signatureをCOSMICのreference signaturesに分解した結果、各症例におけるCOSMICのreference signaturesの寄与など

driver変異探索

ゲノム上の特定の領域に特定の変異が集積する有意性を判定することにより、driver変異の探索を行います。

【主な解析結果】
各領域への変異集積の有意性を判定するための結果、遺伝子領域ごとの変異の集積結果など

neoantigen探索

腫瘍特異的な体細胞変異のデータを用いて、がん細胞に特徴的な変異ペプチドのパターン(neoantigen signature)を同定します。

【主な解析結果】
MHCクラスI分子との親和性予測、既知エピトープとのホモロジー探索、T細胞受容体との結合・相互作用予測、neoantigen signatureの抽出など

TMB解析

体細胞変異検出データから、TMB(Tumor Mutation Burden)を算出します。

【主な解析結果】
TMB測定結果

PDXサンプルの変異解析

患者由来の腫瘍をマウスに移植したXenograft(Patient-derived xenograft: PDX)サンプルのシーケンスデータを用いて、変異解析を実施します。

【主な解析結果】
SNVおよび一部のShort InDelの同定、各種アノテーション付与(通常の解析結果と同じ)

HLAタイピング

シーケンスデータからHLAクラスI (HLA-A, B, C)遺伝子のHLAタイピングを実施します。

【主な解析結果】
HLAタイピング結果

解析結果

リード配列を参照配列に対してマッピング※1し、変異箇所(SNV※1)を検出します。
検出されたSNVは、各種アノテーション※2をつけてエクセル・マクロファイル※3 とテキストファイルでご提出します。

解析結果

※1 マッピング結果、SNV、DepthはIntegrative Genomics Viewer(IGV)で閲覧することが可能です。
※2 検出されたSNVには次のようなアノテーションがつきます(Humanの場合)。
変異箇所、塩基、新規/既知、影響を与える遺伝子、遺伝子への影響、dbSNP ID、RefSeq ID、CCDS ID、アレル頻度(gnomAD、1000 Genomes、HGVD、GEM-J WGA)、Conserved Elements、アミノ酸置換影響予測(SIFTなど)、Splice Site変異影響予測、Depth、クオリティ値、サンプルごとのジェノタイプデータなど。
※3 アノテーションは弊社オリジナルのエクセル・マクロ(AnnotationViewer)で観覧でき、IGVおよび外部データベースと連携するようになっています。

納品物

・解析報告書
・データHDD:リード情報(FASTQ)、マッピングデータ(BAM)、SNV/InDel検出データ(VCF)、
 SNV/InDelのアノテーションデータ(エクセル・マクロファイルとテキストファイル)

サンプル条件

サンプルの種類 通常ゲノムDNA FFPEゲノムDNA
DNA量 3 µg 1 µg
濃度 50 ng/µL以上 50 ng/µL以上
OD260/280 1.8以上 1.8以上
DIN値 - 3以上
・サンプルの定量はQubitまたはPicoGreenを用いた方法を推奨しております。
・サンプルの電気泳動写真がお手元にある場合にはご提供をお願いします。
・Xenograftに由来するサンプルの場合は、その旨ご連絡下さい。

解析例

検体数2(腫瘍および正常検体)
機種NovaSeq 6000
Exon Capture方法SureSelect Human All Exon V8
平均データ量/サンプル約20 Gb
リード長150 bp
シーケンス方法Paired End/Multiplex
バイオインフォマティクス解析SNV、および一部のShort InDelの同定、
各種アノテーション付与
納期品質評価通過後、約2.5ヵ月
※ 同時に解析を行うサンプル数が多い場合には、別途お打ち合わせの上決定いたします。

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